路傍に吹く風の如く

徒然なるままに〜とりとめのない話になりそうですが、日々感じたことや考えたこと、体験談や出来れば冒険談など紹介したいです。

古い記録〜歴史のファクトとは

今日は「あの戦争 太平洋戦争全記録 上巻」について少しばかり。

 

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この本は2001年8月10日 第1刷発行されたもので上中下巻の3巻から構成されている本です。

編者は産経新聞社、発行元は集英社、定価1800円(税別)

発売後時を置かずして購入した物で、今でも自宅書庫に揃えています。

購入の目的は当時学童だった三人の子供の目に触れる事を念頭にしたものでした。

 

ここで本についてご紹介しますと(以下、はじめに を一部抜粋)

 

この「あの戦争 太平洋戦争全記録」上・中・下三巻は、産経新聞社に平成8年12月8日付朝刊から平成12年12月31日まで毎週日曜日、二百十回に渡って連載された「紙上追体験 あの戦争」を単行本用に再編集して刊行したものである。

 

と序文に説明があります。

また

 

戦史については、すでに多くの図書が出版され、防衛庁防衛研修所戦史室の「戦史叢書」全百二巻も公刊されているもののあまりにも膨大で、また一般の目には触れにくいものである事を考え、出来るだけ分かりやくす通説することに努めた。

あわせて戦火に散った将兵・同胞の記録を、この種の出版では初めての試みとして、できるだけ細かく「鎮魂」欄に収め、さらに新聞連載時に紙面の都合で省略せざる得なかった一般商船の被害者、終戦時に自決した軍人などを、単行本化に当たり大幅に追加収録した。

 

とあります。

この上巻は昭和16年12月8日ー昭和18年4月25日「戦闘状態に入れり」となった日から、戦況が悪化をだどり南満州鉄道特急「あじあ」が燃料の石炭供給の制限などの理由により運転を中止したことまでを綴っています。

 

特徴的なのは軍部や政治家のいわゆる国家的な動きや事象、また戦場での有り様といった事柄ばかりを時系列に追ったものではなく、国内の一般庶民(銃後の人々)生活に関するものも丹念に記されていることです。

 

私は先に述べた、三人の子供の目に触れる事を念頭にしたのは正にそこが大きな目的でした。

 

私などは、父母は当然ながら戦前世代ですし、父の多くの学友たちは戦地で帰らなかった世代です。また祖父母の兄弟も戦死していますし、その父母である曾祖父母も身近に接しており、戦時中の話も聞く機会が多かった訳ですが、私の子ではそうもいきません。また祖父母はもちろん父母もその頃には他界した後でした。

その様なことから折に触れ銃後の生活に関する事をこの本を見せながら、また先祖の又聞きをもとに話聞かせた事でした。

 

現在はイデオロギーでの対立が激しくなっていますし、地上波や新聞などの既存メディアと新興メディアであるネット関連、SNS上でも旗幟が別れて対立する構造にまでなっています。

出来るだけその様な構造に巻き込まれたくないもんだなと、その様に考えています。

論壇を張っていらっしゃる方々は左右双方共に少なからず受益の為でしょうし、主張されていることを甘んじて信じるのも腑に落ちない事柄が多々散見されると考えています。

もちろんこのご紹介記事にした本が全てで正しいと決めつけていませんし、イデオロギー色豊かに書かれたものとも決めつけてはいません、その時代の側面が記載されているものでそれは確かな事だと思います。

この本以外に戦争体験者である将兵の話し、それも船乗りと飛行機乗り、また陸軍、前線体験者と内勤では捉え方がかなり違いますし、従軍記者の方々の体験記なども読んだ上での自分なりの現時点でのファクト、そう考えているところはあります。

さて、窮屈な話になりましたが、次回よりはこれらの本に記載されている民の生活に関する事柄なんかをご紹介しながらと考えています。

 

今回もご購読いただき誠にありがとうございます。